記事: 薄くて小さいコンパクト財布のまとめ・選び方
薄くて小さいコンパクト財布のまとめ・選び方
コンパクト財布に求めるのは、薄さ・小ささ・容量・機能性・デザイン性・上質感。そのいずれも妥協したくない、そう考えるのはワガママでしょうか。
はい、ワガママだと思います。でも可能です。
ただし残念ながら、コンパクト財布の多くが、それら全てを実現できているわけではないので、購入の際には注意が必要です。
本ブログでは、コンパクト財布を探す方向けに、失敗しない選び方・考え方をまとめました。
コンパクト財布とは
コンパクト財布と言っても、その言葉自体に明確な定義はありません。
あなたは、コンパクト財布に対して、何を求めていますか?
コンパクトを直訳すると、小さいという言葉がふさわしいですが、薄さも求めていますか?
コンパクト財布をお探しの方が、顕在的(自覚的)に求める傾向にあるメインとなる特徴は、ずばりこの2点です。
メイン機能
・小さい
・薄い
一方で、潜在的に求める傾向にあるサブの特徴は、以下のように千差万別です。
サブ機能
・小さく薄いけど小銭や紙幣の容量がある程度欲しい
・カードをたくさん入れたい
・家の鍵も一緒に入れてしまいたい
・他人と被ることのない斬新なデザインがいい
・飽きのこないシンプルデザインがいい
・高品質で高級感のある素材がいい
・経年変化を楽しめる本革がいい
・左利き対応しているのがいい
・快適に利用できる方がいい
・国産、日本製。日本の職人が作っている
「コンパクト財布」という言葉で探している方にお伝えしたいこととしては、まずメインの特徴(機能)を明確にしていただくことをお勧めします。
やり方は簡単です。
タイプ1:
とにかく小さいのがいい→メイン機能:小さい
タイプ2:
とにかく薄いのがいい→メイン機能:薄い
タイプ3:
小さい+薄いがいい→メイン機能:小さく薄い
あなたはどのタイプでしたか?
コンパクト財布が流行っている背景
コンパクト財布がトレンドなのは、言うまでもないですが、その背景にある1つが、キャッシュレス社会の浸透でしょう。
実際、私はほとんどの決済をスマートフォンやクレジットカードで済ますため、一日のうちに紙幣や硬貨を使うのは多くて1〜2回です。下手すれば、1日で1度も使わない時もあります。
皆さんもそうではないでしょうか。
もう一つは、ミニマリズムの浸透と共に持つものを減らすという思想が根付いてきたのも、背景の1つだと考えています。ミニマリストを目指す、またはすでにライフスタイルになっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
コンパクト財布の選び方
では本ブログでは「コンパクト財布=小さく薄い財布」と定義した上で、コンパクト財布の選び方について触れていきたいと思います。
「小さく薄い財布」ではなく、「薄い財布」「小さい財布」をそれぞれお探しの場合は、別途ブログ記事にて語らせていただきますので、そちらもご覧ください。
前提として「小さい」と「薄い」の両立は難しい
まず大前提として、コンパクト財布に求められる「小さい」と「薄い」を両立させるということは、極めて難しいと言っていいと思います。
普通のお財布(ここでは長財布や2つ折り財布)でイメージしてみましょう。
長財布は大きさが出てしまいますが、その分、二つ折りや三つ折り財布と比較すれば薄いのが一般的ではないでしょうか。
それを小さくしようとした場合、一般的には小さくした分だけ厚みが出ます。まさに二つ折りや三つ折り財布がいい例で、以下のように分厚くなります。
なぜ小さく薄いコンパクト財布が実現するのか
薄い長財布を二つ折りや三つ折りにしたら厚くなりますよね。と、当たり前のことをお伝えしてしまった気がしますが、では、小さくて薄い財布というのは、なんで実現できるのだろうか。という疑問に至りませんか。
普通に折るだけでは厚くなってしまいますが、作り方(設計)を工夫することによって、実現しています。
小さく薄いコンパクト財布が実現する設計の工夫1:
余計なパーツを省く
余計というと怒られてしまいそうですが、例えばカードを1枚ずつ仕切っているフラップを省いてしまうことで、重なる革の枚数を5~10枚減らすことができます。
また、コイン収納部も、たいていの財布は容量を確保するためにマチがありますが、設計次第ではこれも省くことができます。
小さく薄いコンパクト財布が実現する設計の工夫2:
コイン(硬貨)とカードが重ならない構造
厚みが出てしまう最大の理由は、重なり合う物が多いからです。工夫1では、素材自体を減らすことで、重なり合うものを減らしましたが、工夫2では、本来なら重なるものを「ずらす」ことで、そもそも重ならないようにします。
ただし、この構造にする場合の課題はコイン収納部の使い勝手が悪くなる傾向が強くなります。なぜかと言うと、コンパクトさを重要視するあまり、コイン収納部が非常に小さい+財布本体がコインの出し入れの動作を邪魔するような構造が多いため、コインを出し入れするときに、うまく指が入ってくれないのです。
安心してください。
そこも解決する手段があります。
使い勝手のいい小さく薄いコンパクト財布が実現する設計の工夫3:
コイン(硬貨)収納部の位置
最後の工夫ポイント3では、2で上述した使い勝手の悪さの解決方法をご紹介します。コイン収納部が使いづらい原因を解消するべく、コイン収納部の位置を工夫するとともに、小さくても出し入れしやすい構造にできます。
まず、コイン収納部は、カード収納部や紙幣収納部と干渉することによって出し入れがしづらくなるのが明白なため、独立させることが重要です。
では、本題に戻りたいと思います。
コンパクト財布の選び方のコツですが、うっかり「小さいこと」や「薄いこと」に気を取られがちです。
それはもちろん大事ですが、何より一番大事なのは
ずばり「使い勝手」です。
「使い勝手って、使ってみないとわからないのでは?」と思った方、鋭いですね!その通りです。
では、その大半が通販でしか売っていないコンパクト財布の使い勝手を"買う前に"どのように調べるのでしょうか。
これはどこまで行っても、実際に使ってみるという行動には勝りませんが、購入前に以下のアクションをお勧めします。
コンパクト財布の使い勝手の事前調査方法
1.商品説明ページ内で動画説明がある場合、念入りに確認する
確認するポイント:
①カード・コイン・紙幣の出し入れがスムーズか(特にコイン!)
②収納したい量が無理なく入るか(商品説明に書いてある最大容量ではなく、実際の収納力)
2.口コミを念入りに確認する
確認の方法:
①ショッピングサイト内のレビュー
②SNS(Instagram、Twitter、Facebookなど)
※確認ポイントは1の①②と同様です。
コンパクト財布の失敗例
失敗例から反面教師にするという考え方もおすすめです。私がこれまでに1000名以上のコンパクト財布をご注文いただいたお客様から聞いた失敗例の一部をご紹介します。
通販サイトの説明を過信した失敗例
・通販サイトを見ていたら、小さくて薄く機能性も高そうだったが、実際に使ってみるとコインもカードも出しづらく、結局前から使っている財布に戻した。
→解決策:事前に動画説明や口コミで念入りに調査しましょう。
「薄い」にこだわり過ぎた失敗例
・薄さを売りにした財布で、確かに薄いが、素材の革も薄いのであっという間に破けた。
→解決策:素材の厚さや素材の質を確認しましょう。
容量の前提を確認していなかった失敗例
・通販サイト上では、コイン15枚収納可能!と書いてあったが、500円玉が2枚になった瞬間に全く入らなくなった。15枚収納の前提が1円玉メインだったのか。
→解決策:サイトなどに記載の説明文の根拠や前提を確認しましょう。
「小さい」にこだわり過ぎた失敗例
・とにかく「小さい」にこだわって財布を選んだけど、毎回お釣りがくる度に、紙幣を3つ折り・4つ折りにするのは面倒くさい。
→解決策:その「小さい」「薄い」がなぜ実現するのか、構造をしっかりと理解して、その構造から生じるデメリットがないかを事前に確認しましょう。
mokuのコンパクト財布はどんな感じ?
mokuのコンパクトは現在2つご用意しています。いずれもベストなコンパクト財布ではあると確信していますが、完璧ではありません。
一枚革のコンパクト財布ICHI(いち)
ICHIの3つの特長
1.ポケットに入れてもかさばらない「薄さ7mm」
2.薄いのにICHIひとつで遠出ができる収納力
薄いくせに、コインと紙幣は各20枚入ります。カード収納部には、カードの薄さによって5~7枚のカードが入ります。
3.厚さ1.5mmの一枚革が可能にする高い耐久性
上記の写真は、ICHIを縫製する前の実物ですが、ご覧のようにICHIは長い1枚の革を縫い合わせることによって作られています。さらには1.5mmという厚手の革を使うことによって、破損しづらい丈夫な財布にしています。
小さく薄い財布Saku(さく)
ICHIの後継にあたります。コンパクト財布に置いてもはや当たり前の「小さい・薄い」に、両立が難しいと言われる「小銭の扱いやすさ・十分な容量」を兼ね備えた、moku渾身のコンパクト財布です。
Sakuの3つの特長
1.サクッと!全てが劇的に出し入れしやすい設計
2.もはや当たり前「薄い・小さい」
薄さは、カード8枚、紙幣10枚、硬貨15枚を入れた状態で12mmです。
また大きさは、横94mm、縦89mmです。
ICHIほど薄くはありませんが、ICHIよりも小さくなりました。
3.カード8枚、小銭20枚、紙幣25枚の大容量
同ジャンルの他社製品のほとんど(ICHIも含めて)がカードは5〜6枚、硬貨は15枚が収納の上限であるのに対して、なんとSakuはカードが8枚、硬貨は20枚入ります。
札入れも仕切りなどはないシンプルな構造になっているため、お札は20〜30枚たっぷり入ります。
いずれも完璧な革財布ではないとお伝えしたのは、ICHIとSakuを比較してしまうと、相対的には何かが劣ることになるためです。
ICHIの方が優れる点:薄さ、尖ったデザイン
Sakuの方が優れる点:容量、小さい(ミニ)、使い勝手
単体で見れば、どちらもベストなコンパクト財布であると自負しています。
何を優先するかによって、どちらかをご提案したいです。
どちらにも共通しているのはファスナーを使って小銭入れを設計している点です。それによって無駄な革素材や革同士の重なりを避けることができ、結果的に薄型のコンパクトウォレットを実現しています。
ICHI,Sakuに興味を持って頂けた方は、以下よりご覧いただければ幸いです。
一枚革のコンパクト財布ICHI
小さく薄い財布Saku
なお、mokuの商品はメンズ向け、レディース向けと分かれていません。ユニセックスつまり男女問わずお使いいただけるデザインにしていますし、実際のご利用者さまの男女比もほぼ半々になっています。
mokuではこれからも、常に使い手の立場になって、商品企画をしていきたいと思っています。
最後までご覧いただき、本当にありがとうございます。