アニリン染めコードバンのお手入れ
アニリン染めコードバンの特徴
コードバンといえば、オイルコードバンが一般的ですが、水性染料のみを使い「丘染め」と言われる技法で染め上げたコードバンを、アニリン染めコードバンと呼びます。
mokuで販売する小さく薄い財布Saku ver.3のコードバン仕様は、2024年2月現在ではこのアニリン染めコードバンを使っております。
アニリン染めコードバンの特徴として、製造工程であるグレージングで極限まで繊維を寝かしつけた後に染色を行う事で、革本来の強い光沢と透明感を最大限に表現する事が出来ます。
長年使用しても張りやコシが持続し、タンニン鞣し特有のエイジング(経年変化)効果により表情の変化が楽しめます。
日常的なお手入れ
必要以上にワックスなどを塗りすぎると曇りの原因になるので、普段は乾拭きやブラッシング程度で十分です。
メンテナンスが必要な時とその方法
普段は、上記の「日常的なお手入れ」で十分ですが、艶が落ちてきた、あるいは乾燥してきたと感じたらメンテナンスをしてあげてください。
メンテナンス時は、ブラッシング・乾拭きに加え、油分の少ないケアワックスを使用し、
ただし、水分の付けすぎは繊維を起こす原因となる為、
1.ブラッシング
革についた埃や革の毛穴に詰まった汚れを落とすのに有効なのがブラッシングです。色々なブラシがありますが、適度な硬さと繊細さのある馬毛をお勧めします。お値段もお手頃なものがあるので入手しやすいです。
面倒ではあるのですが、ブラッシングで汚れを落とす前にオイルやクリームでメンテンスしてしまうと、汚れを定着させてしまう原因となりますので面倒臭がらずに丁寧にやりたいところです。
ブラシもamazonなどで購入いただけますよ。
2.乾拭き
銀面(革の表面)を乾いた柔らかい布を当てて、湿気を拭き取ります。
肉眼には見えませんが、汗や雨などの湿気が革に付着していますので、それを布で吸い取るイメージです。
ゴシゴシとこすりつけるのではなく、なでる程度・ぽんぽんと押しつけるようなイメージが最適です。
注意したいのは繊維の素材です。化学繊維ではなく、綿100%でできた布を選びましょう。化学繊維は革を傷つけてしまう可能性があるので、注意が必要です。
どこで購入してもいいと思いますが、無印良品やamazonなどでも購入いただけます。
3.油分の少ないケアワックス
適量を塗布後にクロスなどで磨いてください。 ご自宅にない場合は、例えばこのようなワックスを推奨しております。
アニリン染めコードバンは、持ち主と共に成長していく革です。
是非、楽しみながら育てて頂ければ幸いです。